台風や強風のあと、「庭の木が倒れて隣の家にかかってしまった」「車を傷つけた」「道路をふさいでいる」というご相談をいただきます。慌てて業者を探す前に、責任の所在と保険が使えるかを押さえておくと、そのあとの動きがスムーズです。
まず、倒れた直後にやること
順番を間違えると危険です。
- 近づかない。 倒れかかった木や折れた枝は、少しの力で一気に落ちることがあります。
- 電線に触れていないか確認する。 触れている場合は絶対に自分で動かさず、電力会社と消防へ連絡してください。
- 写真を撮る。 全体・被害箇所・木の根元を、複数の角度から撮ります。保険の申請と業者の見積もりの両方で必要になります。
- 保険会社へ連絡する。 撤去してしまう前に連絡するのが基本です。
- 通行の妨げになっていれば周囲へ知らせる。 道路をふさいでいる場合は警察(#9110または110番)へ。
自分で切ろうとして怪我をされる方が毎年います。倒れた木は不自然な力がかかっていて、切った瞬間に跳ねることがあります。
責任は誰にあるのか
結論から言うと、一律には決まりません。判断を分けるのは「倒れる兆候があったかどうか」です。
| 状況 | 責任の考え方 |
|---|---|
| 健全な木が、予測できない規模の暴風で倒れた | 不可抗力として、責任を問われないことがあります |
| 枯れていた・傾いていた・根が浮いていた木が倒れた | 管理が不十分だったとして、責任を認められやすくなります |
| 以前から隣家に指摘されていたのに放置していた | 責任が重く見られやすくなります |
民法には、竹木の栽植または支持に不備(瑕疵)があった場合に、その占有者や所有者が損害賠償の責任を負うという考え方があります。つまり**「自然災害だから仕方ない」で必ず済むわけではなく、木の状態をどう管理していたかが問われます。**
逆に言えば、倒れる前に手を打っておくことが、いちばん確実な備えです。
火災保険が使えるケース
火災保険に「風災」補償が付いていれば、台風・強風・突風で倒れた木が建物や塀を壊した場合に対象となることがあります。
対象になりやすいケース:
- 倒木が自宅の建物・カーポート・塀を破損した
- 強風が原因であることがはっきりしている
対象外になりやすいケース:
- 庭木が倒れただけで、建物に被害がない
- 経年劣化や腐朽が主な原因と判断された
- 免責金額(自己負担額)を下回る損害
撤去費用そのものについても、建物の損害を復旧する費用の一部として認められる契約と、そうでない契約があります。補償範囲は契約ごとに違うので、写真を添えて保険会社に確認するのが確実です。
なお、隣家に被害を出した場合は、ご自身の火災保険ではなく個人賠償責任保険の範囲になることがあります。こちらも契約内容の確認が必要です。
撤去費用の目安
倒木の撤去は、立っている木を切るより手間がかかることが多く、一律の料金ではお出しできません。金額を左右するのは次の点です。
- 木の大きさと倒れ方(幹が折れているか、根から倒れたか)
- 建物・電線・塀との位置関係
- 重機や高所作業車が入れるか
- 撤去する木の量
伐採横浜では、現地またはお写真で状況を確認してからお見積もりをご提示します。金額にご納得いただいてから作業しますので、作業後に勝手に上がることはありません。詳しい考え方は庭木の伐採費用・料金の相場もあわせてご覧ください。
道路・公園の木が倒れたときは
敷地内の木は所有者の対応ですが、道路・公園の街路樹など公共の場所にある木は、管理している自治体や道路管理者の対応になります。横浜市内であれば各区の土木事務所が窓口です。判断に迷う場所(私道、法面、境界上の木など)もあるため、分からない場合はまず区の土木事務所へお問い合わせください。
倒れる前に見ておきたいサイン
次のような木は、次の台風で倒れる可能性があります。
- 幹の根元にキノコが出ている、樹皮がめくれている
- 枝先から枯れ上がっている
- 根元の地面が盛り上がっている、隙間ができている
- 明らかに一方向へ傾いている
- 幹に空洞がある、叩くと軽い音がする
ひとつでも当てはまる場合は、倒木・危険木の撤去でご相談ください。倒れてからの撤去より、倒れる前の伐採のほうが費用も手間も抑えられます。
※本記事は一般的な考え方を整理したものです。責任の有無や保険の適用可否は個別の事情によって変わります。実際のケースについては、契約中の保険会社、および必要に応じて弁護士など専門家へご確認ください。